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茜 茜の青春実況〜カコログ
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summer vacation
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■summer vacation 2005
高校中退後の夏休みレポ -ファースト・フィナーレ- これまでの読者はお分かりのように、私は7月19日以来、日記の更新をストップしていた。何が悩みだったのか。そうすることは、この今、うまく言葉にできないだろうが、大きな原因は、当時、「私の生活のすべてだった人」だと思っていた人と音信不通になったことから始まる。まあ、それは泉なのだが。ただ恋をしたことに、夢中だったのか、ね。結末を書くと、私たちは付き合うことを辞めることになる。 その間、私は高校認定の試験を終え、陶芸というものを始めることにした。 理由は単純、ただ無になりたかった。 答えがほしかった。 未熟な自分が嫌いだった。 8月の日々のほとんどはバイトと陶芸に消えていった。 陶芸の先生・ピーターの工房への道のりは遠く、5キロの道を自転車で暇があれば通っていた。 これから記すのは、私の夏の話である。 その長い夏をひとつひとつ書くことはめんどくさいので(おいおい)、私のノートに書いた言葉、7月26日〜8月22日までまずお送りする。私と泉は22日の夜に別れたと思う。 *+*+*+*+*+*+*+*+* 7/26 私が筆をにぎる時 ヒステリック又は決心 私もようよう求めていた意味の形がわかってきました なんつーか、大きなよろいを脱ぎはじめてきた 泣くときもあります 胸が苦しくなるときもあります 素敵なのは誰? すべてだったのはあの人 何を決め付けていたのだろう いいかんげん恋をすることも、何も いいのです。私は私なのですから。 龍がずっと前に、「君って誰?」と聞いたことがある。 私は「茜よ」と答えたけれど、「茜」とは何なのだろうか 「作家」と答えれるまで、遠くはない、ハズ あきらめるものか くやしがったり もう誰とも一緒に(何も)いたくなかったり 「救いと許し」 求めていました 「こどくとあい」 否定していました 人に色々なものをもとめ ほめられたくて もうそんな思いはすてます 恋心は終わった 想いは何か透明なものへ向かって走っている 強さをくれたあなたに 一番求めているのは 「あなたとの日常」 なぜか、終わりは見えない。それでいい。 7/31 何故、価値がないのだろうというのが、今日おちこみ続けた私の理由。 ただ見捨てられる。 あの女はバカだったと思われるのが嫌なだけだ。 こんなプライドすてればいいのだけど あきらめるコト そんなコトができないのだ。 夢もすてることができない どうしても そうすれば、私は私でなくなるから 私は少女だった 私は夢だった (中略) 私は少女 まだ少女なのだ 8/1 (前略) 誰にもこびない 若くはない 心だけ 閉ざすともりもなく 虚無もなく かといって満たされるわけでもない 描き続ける少女 8/3 なぜ こんなに若いのか考える 休んでならず考える 「目の前のことにうちこんでほしい」 というのがあなたのねがいなら たやすくうけいれる わからない あなたがわからない 私は答えをださなくてはならない 休むことなく 私の妄想など 消え去ってしまえば 楽でさみしい 8/9 事実、自分のありのままの叫びを文字にすることは とてつもなくみにくい けど好きだけどね。あるていど。 でも、私はかたくなな文章をかく。 あいしてるなんてもうやめて 大丈夫 泣きはしない 透明なものへ 未熟な私を 芸術がたすける 眠気が導く おやすみ 8/11 AM1:04~ (前略) 思い出した。 今年の夏のファースト・フィナーレという言葉。 負けるものか。家をでる。必要。 甘えてしまう。 舞台はどこだ。 今の目先の私の文字。 大きな賭けにでてるのだ。 8/16 AM1:35 夜、母は疲れている 朝、母とおしゃべり 自転車こいで 土いじり そして次の日は病院 次の日は仕事 ステキ ステキよね 何より、あなたを毎日想うこと そして、、、いいえ、いいわ ステキよね。 さみしいってステキよね。 さあ、寝よう。 ステキ。 私はまだ少女だ。 8/16 PM23:30 昨日から秋の空だ。 焦っていなかった。 あの蓮の池を見て、とても気持ちよく ペダルをふむ。 また違う池で 恋人たちと散歩する人と子供たちを たばこを吸ってながめる 池の水面を見て、 あのうねりは私の裸体で あればよいと思った。 8/19 お仕事中断 ハチクロ8かん読了 「卒業」鑑賞。 わかっている 孤独だ しかし何よりこの世界は美しい 言葉にできない 感じるだけ ただ一言 私の世界は美しい 可愛い迷いしか 残っていない 8/20 久しぶりに「愛」を見つめた お前とは、手だけつないで、となりあわせに存在しているほうが好ましいのかな? お前は苦しいやつだね 8/21 AM0:37 メールしちゃだめ あなた断ち苦しいことをしているのだ もういや ムダ? チガウヨ ばか 泉のばーか! 8/22 《泉にメッセで「友達に戻ろう」と言われたあとの文章》 終わった。 はあ。 何を頑張ろう? まーがんばれ!私! *+*+*+*+*+*+*+*+ なんとも言えず、8月22日に書いてあると、私はどうしたらいいのかわからなくなった。その後、どうしようもなく眠れぬ夜がくることだってわかっていたのだ。だから、龍に電話をした。龍が電話にでると、私は彼氏と別れたことを告げた。 「ホントにね、過去に好きだった女に、こんなこと頼られるのは言われるのは嫌だよね。ごめんね」 と私が言うと、龍は 「ああ、今でも好きだからいいよ」 と言った。 「言ったじゃん。いつでも電話してきていいよって。眠れなかったらいつでも電話してきなよって」 「眠れなかったら電話していいよ」その台詞は随分昔言われたものだ。 それから私と龍は何を話しただろうか。 私は泣かなかった。 きっと、ただいつもと私の龍の話をしていたと思う。 昔から私は龍に「愛ってなんだろう?」とよく問う。 龍は「わからん」と、いつも、「愛ってわからん。形が見えない」と言う。 沢山のおしゃべりをした後、私は明け方にゆっくり眠りについた。 龍は言った。(うろ覚え) 「まあ、彼氏と別れてもね、俺と茜ちゃんは離れられないんだよ。まあ、彼氏と別れて、俺と付き合ったら、運命だよなあ」 (私は龍と離れられないことはわかっていた。限りなく似ている人間だからだ。それに龍は優しすぎる。けれども二人が恋人同士になることは、破滅に向かうものだろうと、今でも信じている。) *+*+*+*+*+*+*+* 記憶を振り返る、8月23日のことを書こう。 泉との交際関係が終わったが、私はさわやかに目覚めることができた。ため息さえも、でない。 今日の予定は、街へ行って、中学の友人に漫画を貸すために少し会い、その後、病院へ行って診察をうけ、そして龍と会う約束を昨夜したので会い、夜は高校の友人・桃(仮)とライブへでかけるものだった。 その時の私にとってそのハードなスケジュールは幸福だった。何も予定がないよりなによりも幸福なことだったのだ。 そして、街へ行って、中学の友人に会った。医学系の大学を目指す彼女は図書館で勉強をするつもりだったが、隣の席の中年女性の会話に耳をとられ、まったく勉強などできなかったと言っていた。地下鉄のホームで少し会話をし、私と彼女は別れた。 次は、病院。主治医・Hに別れた彼のことを話すと、労わりの目で私を見つめた。たいして、悲しくないつもりの自分だが、泣きそうになった。落ち着いて、落ち着いて、一言、一言、話す。 やめて、よ。 別に、悲しくないもの。 私は大丈夫なのだから。 涙を必死でこらえた。 けれども、龍とその後会ったとき、その後私たちは漫画喫茶へ行った。個室に入り、そうして、私たちは私の進路や、ヒトラーなどの話をした。 そうして、 なんの願望なのか。 結局私は淋しいのか悲しいのか。 (私だって泉も龍もを傷つけたくせに) なんの願望なのか。 そうして願望通りに龍の身体に身を寄せる。彼は抱きしめる。。。 龍に淋しさを伝えてどうしろと言うのだろう。 彼の感覚だけが伝わって、 「時間だよ」 と私は言う。お互い悲しく笑った。 彼を最後に強く抱きしめた理由。 今までとは何かが違う。しかし、私は瞬時に一度昔の私に戻った。電車の窓から覗ける自分はあのころの私だった。そして泉はいない。泣きたい。泣けない。泣いちゃだめ。愛しい人がいない。淋しい。 しかし、負けるものか。 桃と待ち合わせするころ、待ち合わせのコンビニの前のベンチで煙草を吸う私に斜陽が刺していた。辺りを見渡せばビルばかりで、ひょっこりと桃はコンビニから現れた。 「夏が終わったよー」と私が楽しく言えば、むすっとした表情をした友人。 桃はなによりも夏が好きな女だった。 「夏が終わったよ。 もうすぐ秋だよ。 嬉しいなあ。 あたしの季節だよ。 夏が終わったんだー でも今年の夏は楽しかったなあ。 夏も終わりかぁ。 恋も終わったんだー」 ひょうきんに語りだす私を見て、桃はなんと思っただろう。「えー」と苦々しい声を出す。 「そのスカート可愛いね」と彼女は言う。 そのスカートはどんなもの言おうか。ピンクの民族的な柄のような、細いロングスカートだった。 「でも、生地が薄いからすけるね」 「ああ、裏地があるから」と私がスカートをめくると、 「いやいや、茜ちん、裏地を見せる必要はないから」と彼女は笑った。 その日龍と会った時、同じような行動と会話だったのを思い出した。 夕暮れは前より寒くなった。 カーディガンを羽織り、カバンは秋のオレンジ色のを買った。 ゆっくりとはじめだした、秋の準備。 秋。秋。秋。 ライブハウスに着くなり、ドリンクと料理を注文した。 ギネスのビール。カマンベール。キムチ。冷奴。ガーリックフライ。 様々な料理を注文した後に、照明は暗くなり。ベースとドラムの音が走り出し、ギターの零れる滑りだした。一つ目のバイトが終わると、私はすっかり楽しい気分になれた。辛いことなど、音に紛れて。 ビールを一口。 二つ目のバンド。 ファンキー ソウル。 ジャズ。 色々流れていく。 そうして、私の頭からランダムに記憶が再生されていく。その波が消えると、私はセックスについて考えた。ペニスやワギナなどこの世には存在せず、例えば男女が一つのグラスで二つのストローで、甘いお酒を飲んで愛を確かめ合い、女は妊娠… そんなものがセックスと呼ばれればよいと考えていた。 どうしても、恥ずかしいことをし、快楽を求める。 そんなすべての人間たちもそしてそんな自分も、いやらしい生き物で恥ずかしくなる。 そうしてまたランダムに思い出。 ファンキーな曲に身体がうずいた。薄暗い部屋に透き通る強い声と音だけが存在した。 突如となく、私は思ったのである。 私はここにいていいのだ。 と。 その気持ちをなんと表現していいのか?カタルシス?溶けていく心?優しい涙? 「やわらかいフィーリング やわらかいフィーリング」 とボーカルの人が歌った。そう、それよ。私は煙草を吹かして、笑った。 私はここにいていい。 私には無数の光の道がある。 *+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+ これが私のファースト・フィナーレ。 そうして、その後の私は沢山の友人に会った。 父と進路のことで衝突した。その夜憂鬱気分で早く寝たのが悪かったのか、朝3時に目が覚めてしまった。そのとき、なんとなしに東京の友人・Rに電話をしてみたら、彼女は太陽が昇るまで電話に付き合ってくれた(彼女も色々あったんだのだろうよ。この夏は) 「おめー あたしが起きてなかったらどうしてたのさ?」 「朝まで考え事…?かな?」 「おめー かわええな」 「うん、あたしかわいいよぉ」 感謝の気持ちがひとつひとつ。 さて、私の最後に導いた哲学で終わるのだ。18の夏。 ねえ、夜空にはもうオリオン座が見えるのだよ。 (ノートの記録) 8/30 恐れてしまう 人格が形成されることに 人間であることに 形であることに 恐れてはいけない 前へ進んでいるのだ 神は人間だった 私も 神は私の中に そして 私に関わった 全ての人に (中略) 人を救うのは人だ だから神になれる なんという単純なこと 愛を与えるのは 神である 人である 私のたましいと 人の優しさ 愛は言葉にできない 形がないのだ けれども私は 愛を形にしなければならない 私の仕事なのだ 命をありがとう *+*+*+*+*+*+*+* 高校中退後の夏休みレポ -ファースト・フィナーレ- 終了 05.9.4.茜 著 |